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本番になると1パーセントもできません。

〇Sさんの疑問質問

はじめまして、Sと申します。

 ゴルフ練習場の支配人をしています。

ゴルフのイップスにかかっております。

実力は70台で回っているぐらいだったのですが、イップスに、なりました。

練習では完璧なのに本番になると1パーセントもできません。

打つのもこわいくらいになりました。体はまったく動かなくなることはないのですが、

 こわごわやってます。本番の帰り練習したら完璧。

やはりイップスだと思います。練習場にいるので引退もできません…

なにかいい方法があるのであれば教えていただきたいです…

では失礼いたします

 

 

〇回答

 Sさんはゴルフでイップスに悩まれ、本番になると思うようにゴルフができなくなるとのことで、引退を考えるほど悩まれており、苦しい状況が続いているように感じます。

 

イップスはモノの見方や考え方が自分に合っていないことに気が付かせてくれるものでもあり、無理をしている自分へのサインでもあります。

 

ゴルフに携わる仕事をしていることや、70台で回れるほどの実力があることから、これまでゴルフと向き合ってきた時間が多くあったのではないでしょうか。ゴルフとそれだけ長く向き合ってきたということは、Sさんはゴルフに対し強い思いがあり、ゴルフのことが好きなのだと思われます。その好きだったゴルフが今では引退を考えるほど嫌になってしまったとのことですから、もしかすると、今のSさんのゴルフの向き合い方や考え方が自分に合っていないのかもしれません。

 

練習では問題なくできているとのことなので、本番時の意識になにか問題があるのかもしれません。

練習は「結果」として形には残らないので、本番時よりも「結果」をあまり意識せず「動作」に意識が向きやすくなります。「動作」に意識が向くと、体を動かすイメージが浮かびやすくなります。脳はイメージしたことから体の細胞に指令を送るため、イメージがハッキリしているほど体は思うように動かしやすくなります。反対に本番になると、「結果」に意識が向きやすくなることで、「動作」への意識が薄れイメージがぼやけることで脳に迷いが生じ、体が思ったように動かせないということがあります。

 

また、練習では自分自身に向けられていた意識が本番になると他者や周りに向くことがあります。Sさんの場合、ゴルフ練習場の支配人ということで、立場的に「上手でなければ周りに示しがつかない」といった意識が働いているのかもしれません。意識が周りに向くと、自分の動作に集中できなくなります。周りを意識することで周りの人が目に見えてわかる「結果」をより強く意識してしまうことにも繋がります。

 

Sさんは練習では問題なくできているとのことなので技術的な改善というよりも、まずはゴルフを自分のために楽しんでみてはいかがでしょうか?

ゴルフはとても難しいスポーツの一つであると思いますが、Sさんがこのゴルフを好きになった理由はなんでしょうか?また、続けてこられた理由はなんでしょうか?個人的な意見ではありますが、私が思うゴルフの面白さの一つが難しさや奥深さだと考えております。様々なコースがあり、風や打つ場所もその都度変わり、道具もたくさんの種類の中から自分に合ったものを選んだりと、奥が深いゆえに迷いが多く、難しいことをあえて楽しむような側面のあるスポーツであるようにも思います。この難しいゴルフで常に結果を出さなきゃいけないと感じながらプレーをしているのであれば、苦しいことのようにも思いますし、なにより楽しめないのではないかと思います。

 

Sさんはゴルフ練習場の支配人という立場もあると思います。Sさんの思う支配人のあるべき姿というものもあると思います。支配人にとってゴルフが上手なことは大事なことかもしれません。しかしそれと同時に、ゴルフの奥深さ、難しさ、楽しさを誰よりも知ろうとすることも大切なことなのではないかと思います。練習場の支配人として、誰よりも上手になるのではなく、誰よりもゴルフを好きになってみてはいかがでしょうか。